自己PRの書き方

地方転職ガイド

目次

内定が取れる!自己PR例文集・書き方/履歴書・職務経歴書・面接での伝え方

自己PRとは、応募先の企業に自分の強みや得意分野、実績、経験などをアピールできる絶好の場。しかし、「自分がアピールしたいこと」を伝えるだけでは不十分です。

経験や職種、〇〇力などの強み別例文、自己PRのフレームワーク(テンプレート)を参考に、ありきたりではない“受かる自己PR”を作りましょう。面接でのアピール方法、NG自己PR例なども解説しています。

自己PRの組み立て方・不可欠な3要素

  1. 応募企業で生かせる強み
  2. 強みを裏付けるエピソード
  3. 強みを生かしてどのように貢献できるか

の3つの要素が必要です。

経験やスキルがない場合でも、「協調性」「コミュニケーション力」などの汎用できる強みを、「仕事でどう生かせるか」「どう貢献できるか」という点で具体的に説明しなければ、企業が求める自己PRにならないので注意しましょう。

応募先ごとに自己PRを作り変える

転職活動は新卒の就職活動とは異なり、「応募企業の職務に関連した強みをアピール」することが重要です。

求人情報から「どんな人材を求めているのか」を読み取り、マッチする能力や経験を強調した自己PRを作成します。

志望動機と関連させると説得力が増す

「〇〇な貴社で能力を発揮したい」「貴社だから実現・貢献できる」と、“応募企業だからこそ”のアピールも効果的です。志望理由・志望動機と関連させることで、説得力が増します。

フレームワーク(テンプレート)を活用した自己PR例文

自己PRのフレームワーク(テンプレート)を活用した例文をご紹介します。

※応募書類など書き言葉では「貴社」、面接など話し言葉では「御社」を使いましょう。

経験者の場合

実績をアピールする場合

希望職種:経理・会計

経理業務を通じて、正確な業務と業務の効率化を実践できるのが私の強みです。

前職では、月次・年次決算、予算管理、入出金管理など幅広い経理業務に携わり、スケジュール管理を徹底し期限内に正確な決算書を作成してきました。また会計システムを改善し、作業時間を10%削減しました。

グループ会計業務についても自己研鑽していますので、これまでの経験を生かして即戦力として貢献できると考えます。

経験をアピールする場合

希望職種:WEBクリエイター

WEBクリエイターとして、クリエイティビティに加えて業務を効率的に遂行できる能力を備えています。

前職では、限られた時間のなかで、タスク管理を徹底し、業務を効率的に行うことで、上司から「誰よりも段取りが早く的確」と評価されました。また、WEBクリエイターの仕事で生かせる「カラーコーディネーター」の資格を、昨年取得しました。

貴社が手掛ける大規模プロジェクトや新たなサービスにおいても、これまでの経験を生かして貢献していきます。

未経験者の場合

経験をアピールする場合

希望職種:コールセンタースタッフ

お客さまの要望や気持ちをくみ取り、満足していただける対応ができます。

前職の販売職では、お客さまと丁寧な会話を行い、要望や気持ちをくみ取ることで、適切な商品をおすすめして売上を伸ばしてきました。その結果、新規のお客さまの約1/3がお客さまの紹介であったことは、大きな自信につながっています。

丁寧なサポートを実践されている貴社のサポートセンター業務においても、お客さまの気持ちに寄り添いながら、満足していただけるサポートを行っていきたいと考えます。

長所をアピールする場合

希望職種:イベント運営

未経験のことでも、自らやるべきことを考え実践しています。前職では、業務で必要な英語スキルやデータベース管理の自己研鑽を行い、TOEICのスコア750点とOracle Masterの資格を取得しました。

これまで経験していない国際的イベントを開催している貴社で、不足しているスキルは積極的に自ら習得し、英語力を生かして戦力として貢献していきたいと考えます。

応募する企業の採用条件や、自身の経験やスキルを前提に自己PRを作成したうえで、読みやすさ、アピールの方法など、添削例を参考にしながら見直してみましょう。

経験者の場合:添削のポイント

  • 最初に結論(私の強みは●●です)を伝える
  • 具体的に何をやってきて、そこから何を学んできたか、どうしていきたいかを整理して記載
  • 具体的なエピソードと共に自分の営業スタイルをアピール

【添削前】自己PR例文

相手への配慮、相手の気持ちや立場に立って物事を考える姿勢というものがあると思うので、それにより自分自身がお客さまに対して最大限何ができて、どのようにすれば満足してもらえるかを常に考え、行動することで相手に誠意を伝えることが可能だと感じます。営業という仕事を通してお客さまに対して、自分なりに長所を生かしていくことができ、また自分の力をどんどん試していけると思うのでさまざまな部分でやりがいのある仕事だと思います。一方で、今一度原点に返り、一から物事を考えて自分自身を見つめ直していこうとも考えています。

具体的には、商談のための商品のカタログ作成や、販売促進のプロモーション提案などにチャレンジしていきたいです。売り場の提案(陳列など)、装飾などに自分の独創性を生かしていければ良いと思います。
お客さまが求めているもの(季節ならではのもの、ご要望など)をしっかりとキャッチして、相手の気持ちや立場に立ちながら、その場に合ったご要望に対応していきたいと思います。

自分からの提案と、お客さまの求めているニーズをうまく調和させながら、仕事を進めていけたら良いと思います。
一方で、短所として、決断力に欠けることがあるので、自分の意志をしっかりと持ち、責任を持って行動できるよう努力していきたいです。
時には、相手の意見を尊重することも大切だと思います。

【添削後】自己PR例文

【誠実に、粘り強い営業】
誠実にお客さまに向き合い、粘り強く営業を行うことが私の強みです。

私は、自社商品を一方的に紹介し、前のめりになって売っていく営業はどちらかというと苦手です。しかし、その分「お客さまが何を欲しているか」を探るべく、「じっくり聞く」営業を心掛けてきました。何気ない会話やちょっとしたお客さまの反応から、商品に興味を持っているかどうかを判断し、少しでも興味を持っていそうなお客さまにはその後のフォローをきめ細かく行うことを徹底してきました。

前職では、物産展で営業をかけたお客さまから手ごたえを感じたので、常に違う商品のサンプルをもって何度も出向き、新規でお取引をいただけるようになりました。そのお客さまからは「じっくりと、誠実な対応をしてくださったので」というお言葉をいただきました。

魅力的な生活雑貨を取りそろえている貴社の営業職として、このような粘り強い営業スタイルでお客さまのニーズをキャッチした提案を行い、売り上げに貢献していきます。

未経験者の場合:添削のポイント

  • 職務に関連する得意なこと、誰もやらない仕事をやろうとする姿勢をタイトルとしてアピール
  • 自分を売り込むという「PR」であることを意識する

【添削前】自己PR例文

【事務処理能力】
事務職としての経験はありませんが、基本的な事務の流れは理解しております。
パソコンスキルは業務での経験のほかに、子供の弁当表の作成など、独自でエクセルやワードを使用しております。

【コミュニケーション力】
販売経験を通じて、相手の心理を考え、気持ちよく業務を行ってもらうように心掛けたことでコミュニケーション力を鍛えられたと思います。

【状況判断力】
自分の業務だけではなく、ほかのスタッフの作業状況を把握し、仕事の優先順位をつけ効率よく進めることや臨機応変さを身に付けました。

【添削後】自己PR例文

【整理整頓された職場環境を提供いたします】
職場は常に整理整頓されていることで業務効率が上がる、と考えています。
用途別に物を配置する、こまめな在庫調整で無駄に物を置かないなど、整理整頓が得意です。常にスタッフにロスタイムが生じないような職場環境を提供することに努めてきました。

【誰もやらない仕事、ほかの人が気づかない仕事を率先して行います】
例えば現職では、率先してバックヤードの清掃を行っています。また、食材や包材の発注では、在庫状況だけでなく、天気や周辺のイベント情報から、チャンスロスがないように的確な在庫管理を行っています。これによって生産性向上や利益にも寄与していると自負しています。

【事務処理能力】
事務職としての経験はありませんが、シフト表の作成や売上報告書など、パソコンを使用して作成しています。

これらの強みを生かし、積極的に店舗展開を進める貴社の事務職として従業員の業務効率化や生産性向上に貢献していきます。

履歴書の自己PR欄は300文字前後で

同じ自己PRでも履歴書と職務経歴書によって適切な文字数が異なります。履歴書に自己PR欄がある場合、300文字前後で書きましょう。

ただし、フォーマットにより適切な文字数が異なります。欄の8割以上が埋まることを目安に、調整してください。

職務経歴書では、アピールポイント別に項目を分けて「具体的なエピソード」を添える

【自己PR】と見出しを付け、アピールポイント別に項目を分けると、強みがひと目で分かり採用担当者に印象付けることができます。

文字数が増える分、より具体的なエピソード添えることで裏付けになります。

応募書類に記載したことをベースに、面接ではより具体的なエピソードを交えて話すようにしましょう。

面接官が興味を持った場合、掘り下げた質問をされることもあります。回答できるように内容を整理しておきましょう。

履歴書・職務経歴書の「受かる」鉄則!

  • 文章は短く。段落ごとに改行して読みやすく!
  • 職務に関連する強みを簡潔にまとめる
  • 企業が求める経験やスキルとマッチする部分を強調する

面接の「受かる」鉄則!

  • 事前の練習は必須! 長くならないよう簡潔に!
  • 個々にしか語れないエピソードを交えて、自分の言葉で話す
  • 謙虚な気持ちを持ちながら、自信を持って話しましょう

面接の自己PRでは、「長所」もスキルや経験と並んでアピールポイントになります。「採用したい!」と面接官に思ってもらう、効果的な伝え方のポイントをチェックしてみましょう。

①応募企業で生かせそうな長所を選んでアピールする

どんなに素晴らしい長所があっても、応募企業では生かせそうになかったり、企業が求めている人物像とマッチしていなかったりすれば、面接官に魅力を感じてもらえません。

求人情報の仕事内容や求めている人物像を確認し、企業の視点で捉えて生かせそうな長所を選んで自己PRしましょう。

②たくさん挙げるより、1つの長所に絞って話す

「あれもこれも」と長所をたくさん挙げると、かえって「この人はどういう人なんだろう?」と面接官があなたの人柄をうまくつかめません。また、「自信がないからいろいろなことを持ち出すのかな」と思われてしまうかもしれません。

③長所が生かされたエピソードを添える

長所の自己PRは抽象的になりがち。

そこで、「長所がどのような成果につながったのか」「上司や先輩から●●が良いと言われた」など具体的なエピソードや客観的な評価を交えて話すと説得力が増します。

面接で長所を自己PRする時は「入社後どんなふうに活躍できるか」や「社風に合う人材だ」と面接官にイメージしてもらいやすいように伝えることが大切です。

「応募企業の求める能力に合っていて、仕事の成果につながった長所」を1つ選んで、自己PRしましょう。

もし短所を聞かれたら?

実はチャンス! 向上心や長所のアピールにつなげよう

「短所」を質問する面接官は、あなたの欠点だけを知りたいのではなく、

  • 短所が仕事に影響するか
  • 自分を客観視できているか
  • 短所を克服しようとする向上心があるか

を見極めようとしています。伝え方によっては効果的なアピールにもなりますので、答えを準備して面接に臨みましょう。

また、「短所は長所の裏返し」でもあります。例えば「心配性」という短所は、伝え方次第で「念入りに確認するのでケアレスミスが起きにくい」という長所にもなるのです。

このように、長所にもつながる短所を挙げ、更に「確認に時間を費やしてしまいがちなので、時間を区切って作業するなど、効率良く進められるよう注意しています」など短所をカバーしようと工夫していることも併せて伝えるのがコツ。自分自身を冷静に見つめ、努力していることをアピールしましょう。

避けるべき短所もある

「時間にルーズ」「集中力がない」など、仕事ぶりに懸念を抱かせるような短所を伝えるのは避けたほうが無難です。

長所のアピール例文

では、上記のポイントを踏まえて面接の自己PRで長所をアピールすると、どのような内容になるのでしょうか。長所のアピール例文を紹介するので参考にしてくださいね。

【行動力】自己PR例文

希望職種:営業

私の長所は行動力があるところです。前職では1件でも多くの取引先に訪問することを心掛け、取引先の現状把握やアフターフォローを徹底して参りました。

その結果、イチ早くニーズに気づいて新規提案や受注ができたり、関連会社や他部署の担当者を紹介してもらい新規開拓につながったりしたことで、2年連続対予算120%を達成することができました。御社でも行動力を生かして、営業活動に取り組んで参ります。

どんなに一生懸命自己PRをしても、採用担当者に魅力を感じてもらえないのではもったいない!

そこで、自己PRのありがちなNGパターンを紹介します。自分のアピール内容が当てはまっていないか、チェックしてみてくださいね。

企業が求めている人物像とズレている

せっかくの自己PRも、企業のニーズにマッチしていなければ魅力を感じてもらえません。

求人情報を確認し、企業がどんな経験やスキル、長所を求めているのかよく考えて自己PRしましょう。

アピールが抽象的で分かりづらい

例えば「私には社交性があります。貴社でも社交性を生かして頑張ります」という回答だけでは、本当に社交性があるのか、社交性を何に生かしてどう頑張ってくれるのか分かりません。

経験やスキル、長所が「どのような成果につながったのか」や「心掛けている行動」「上司や先輩からの評価」など具体的なエピソードを添えると、採用担当者は入社後の仕事ぶりを想像しやすくなり、魅力を感じてもらえるでしょう。

自己PRでは自分自身の強みと思い(志望理由・志望動機)を応募企業に理解してもらい、必要な人材だと感じてもらうことが大切です。

例文や、フレームワークを参考に、応募企業にアピールできる自己PRをしっかりと作成してください。